今回はポップスの曲の分析をしていこうかなと思います。
どの音楽も基本になるのはクラシックではあるので、理論や基礎を学ぶとどんな音楽にでも応用できますし、また、他のジャンルの音楽を勉強するときに理解しやすくなると思います。
ということで早速みていきましょう。
ポップスの曲分析
何の曲にしようかなぁと考えてUSのBillbordのチャートをみていたのですが、ラップにかなり占められていまして、ラップ以外で初めて出てきた曲がshawn mendes とCamila cabelloの「Senorita 」という曲だったのでこれにします。
JpopとUSpopは曲の構成(コードやメロディ)がかなり異なっています。(最近のJpopはUSやKPOPをうまく取り入れたり、真似たものも多いですが)
USの方がコードや曲の展開自体の作り込みはあまりありません、というのも聴き込む、というより踊れる曲を人々が求めているという国民性からくるのかなと考えています。
なのでAKBさんたちのようなサビで三度あげちゃってキーが突然変わったりすることはあまりないように思います。
なのでわかりやすいUSpopからピックアップしようと思います。
まず曲を分析するにあたって曲がどのような構成、機能を持っているかというのを調べようと思います。
曲の構成
この曲の構成は
intro 4小節
Aメロ 8小節
サビ 8小節
A' メロ4小節
B メロ2小節
サビ 8小節
コーラス(サビのおまけ)8小節
intro 4小節
となります。初めのAメロは二番の部分が後ろのメロディが変化していたのでそれをB とすることでAを8小節と考えています。ここに関してサビ→A→サビの形を一番でとるとサビの印象が強まるからからかなぁと思います。
よくあるのはこのパターンで、サビ→A→サビ→A→サビ→ブリッジ→サビの形だと思いますがこのパターンはサビが盛り上げる系には使えますが、この曲はテンションが一定なので、この構成でずっと聞き流してられる形、にしてあるのはベストだと思います。
盛り上がりの話で1つつけ加えますと、ここ近年は盛り上がる曲よりかは、BPMが遅めで聞き流す感じだったり、結構音数も少ない素朴な曲がトレンドになってきています。
曲の性格
続きまして、この曲の性格を見ていきましょう。
まずこの曲はキーがAマイナーの曲です。そしてBPMは117となっています。
そして曲のコードは同じものの繰り返しでAm Cmaj7 Fmaj7 Em7 (G )
となっています。
マイナーキーですが、セブンスが入ってるのでそんなに暗い印象ではないと思います。
続きましてこの曲のサウンドについて触れていきたいと思います。
だいたいのトラック予想としまして、
エレクトロドラム、パーカッション、シンセベース、アコギ、エレクトロギター×2、(エレピ)、シンセ、リードボーカル×2、バッキングボーカル、サウンドエフェクト
かな、と思います。(あくまで予想なので)
改めて聞いてみるとクラップとアコギ、ベースがかなりきいている曲ですね。
前回のこのお二人の曲は、曲の性格自体がかなりshawn の方に寄せられていた気がしますが、今回のはカミラの方によっている印象を受けます。
続きましてこの曲のメロディについて軽く触れておきます。
サビはAA'BCというモチーフからなっています。
サビの全てのモチーフが同じ音(B音)から始まっていて、一番初めのBCABの変化系で作られています。
Bのモチーフはこの曲のAメロにも出てきます。言葉じゃない音の飾りの部分ですね。カミラの曲によく利用されている印象です。
この曲はこうやってAメロにもサビのモチーフが入っていたり、サビのリズムがAメロでも利用されていたりするのでそれによって曲自体の統一感がでている気がします。
そしてこの曲のグルーヴはカミラのHavanaによく似ていると思います。
2拍目と4拍目に強拍がくるリズムでクラップがHavanaでもこの曲でもなっています。
この曲のポイント
①この曲は曲のジャンル自体がラテンに分類されています。ラテンをポップな感じに持ってきたのは正解かなと思います。
(近年音楽のジャンルはもういろんなものが混ぜ合わさりすぎて、もう名乗ったもの勝ちのようなところはありますけれども。)
最近はいろんなジャンルをポップにもってこられる方が多いので(despacitoとか)
ラテンの曲調が聞きやすいように低音部が大きめになっていたり、かなりポップな音が使われていたりします。クレジットを見てみるとclean banditやcashmere cat、Charlil XCXなどもいらっしゃるので、最近のサウンドにもってくには納得ですね。
特にcashmere catはかなり曲が作り込まれているものが多いので、必聴です。
②あとはわかりやすい言葉(senorita)を1つ持ってきたのもポイントですね。基本的に売れる曲には耳に残る言葉か語呂のいい言葉がいれられています。
今回はこのsenoritaとohh la la laと言う言葉がそこに当たるかなと思います。
③あとはこの単調ではある曲なんですが、それで飽き飽きしないのはサビ部分に彼らの声でかなりコーラスが重ねられているのでその効果が大きいかな、と思います。多分聞こえている以上に重ねられていると思います。
ざっくりとこの曲についてはこんな感じです。
音楽のことだけでなかったら、プロモーションの仕方もこの曲はよかったのではないかな、と思います。リリースしている時に二人の噂が出たりもしたようなので。
また彼らの曲があるなら、次はshawnによせた曲調に期待したいですね。